(2007-01-20 13:15:14)



”7点の女がナース服を着たことで10点になる”について


「ということは、だ。男は白衣を着たことで3点のポイントアップが望めると俺は思う」
「授業を進めてください先生」
「黙れヅラ」
「訴えますよ先生」

「えー、そこで先生も白衣を着てみた」
「いつも着てるじゃないですか」
「さて多串君、先生何点になった?」


「…3点?」
(隣で沖田爆笑)






(2007-01-27 21:19:01)



「跡部が風邪引いたってマジ!!??」
「……うるせェ」
「マジだ!顔が赤い!だだだ大丈夫景ちゃん!!」
「静かになー、景ちゃん40度近く熱あんねん」
「マージか!」
「だからうるせェっつってんだろ」
「ガ!宍戸っち!」
「あかん、熱下がらへんなぁ」
「え…!?あ、あとべ死んじゃう…!?(はらはら)」
「……殺すな…、」
「大丈夫やでー、跡部は刺されても死なへん男や」
「でも熱下がらないんでしょ…?」
「せやなあ、このまま下がれへんようやったら座薬か注射か…」
「(ピクッ)ざやく…!!」
「(嫌な予感←跡部)」
「ざやく!座薬にしよう侑士!!だって景ちゃん注射こわいし!」
「怖くねえ!勝手に決めんな!(がばっ)」
「暴れちゃダメだよ跡部!ね!おねーさんが座薬入れてあげるから!!」
「やめろ脱がすんじゃねえ!!!」



(風邪ネタで座薬っていうのが書きたかっただけなんです)






(2007-03-04 19:34:00)



「どうした?笑えよ」



こんなめでたい日になんて面してやがる。
高杉くんは相変わらず意地の悪い笑い方をして相変わらず意地の悪いことを言った。
卒業証書の入った筒で自分の肩をトントンと叩いている彼は、
それになんの重みも感じていないかのようだった。
わたしの手にそれは重すぎているというのに。


「卒業なんか少しもめでたくないよ」


わたしは喋ると零れそうになる涙を押し込めながらそう言った。
グラウンドの方から写真を撮ったりして別れを惜しむみんなの声が聞こえてくる。
わたしと高杉くんは校舎の隅の方にいる。なんてちっぽけ。
このちっぽけな時間もすぐに過去になる、いつか懐かしむための思い出と化す。
そんなのこわい。わたしは今ここにいるのに、これが過去になるのがこわい。


「みんなに会えなくなる、ここにだって、一生来れない」
日々はまだ十分すぎるほど鮮明なのに。
「別にまた会えンだろ」
「高杉くんは一生会ってくれないくせに、」


わたしは手を伸ばして高杉くんの腕をそっと掴んだ。
手を伸ばせば届く距離にいるのに。


「おねがい、遠くに行ったりしないで」


彼は今まで口にはしなかったけど、わたしはわかっていた。
彼がどこかへ行ってしまうこと。
わたしはとてもとても利己的な人間で、高杉くんをとなりに引き止めておけるなら彼の未来を、
夢を野望を潰すことだってしてしまいたいと思うのだ。



(それでも高杉くんはわたしの手を柔らかくどけて相変わらず意地の悪い笑顔を見せる)
(その笑顔に、明日も変わらぬ日々がやってくるような錯覚)






(2007-03-09 17:57:01)



「不思議ね、死ぬのは少しも怖くないの」


藍色の空にはっきりと映える月に雲がかかり、ぼんやりと闇が世界を覆う。
彼女がとても曖昧に見えた。


「生きることは、こんなにも怖いのにね」


変なことを言う、と俺は思った。
死が怖いから生きるんだろう?
少なくとも俺はそうだ。

だけど隣で虚ろな月を見上げる彼女が消えてしまいそうで、
俺はそれが怖くて彼女の手に自分の手をそっと重ね、強く握った。






(2007-04-14 16:06:07)



「彼女がいたって、そんなのわたしに関係ないもん。
好きになったのに、どうしてあきらめなきゃならないの。
好きでいたっていいでしょ、わたしの勝手でしょ。
ぜんぶブン太がわるいんだよ」


ギーコギーコとブランコが揺れるから、
夕焼けの眩しいオレンジが邪魔をするから、
俺は先輩の表情を見ることができなかった。


「ねえ、そうでしょ赤也」


うまい言葉が見つけられなくて曖昧な返事を返した。
先輩はたぶんすこしだけ泣いてた。






(2007-04-29 18:57:16 誤)



「死んだりしないよね?」


ねえどうして黙ってるの。

君より先に死ぬはずないだろうって、
君を置いて死ぬはずがないだろう、って

ねえ、そうだと言ってよ。


「、」


どうしてそんな悲しい声で呼ぶの。
私の名前はそんな声に呼ばれる為に在るんじゃないよ。

いやだよ、


「人は死ぬものだよ」


そんな悲しいこと聞きたくないよ。
そんな悲しい悟り要らないよ。

君より先に死ぬはずないだろうって、
君を置いて死ぬはずがないだろう、って、

少しだけ泣きそうな笑顔で言って、
気休めでいい、

「もうすぐさよなら、だ」



ちがう、
聞きたいのはそんな言葉じゃないよ、






(2007-06-25 20:17:27 なつの会話)



「そうごー」
「あー?」
「あつーい」
「あー」
「ずるいよ、アイスちょーだい」
「ん」
「(ガリッ)」
「うまいかー」
「うまーい。夏はソーダだよねソーダアイスだよね」
「あー」
「さっきから単語しかしゃべってないよ総悟ー」
「暑ィ」
「うん、あつーい」


「あ」
「あ」
「なにしてんのそーご、溶けちゃったよ」
「…口開けろィ」
「あー(ぱか)」
「ん」
「んー!つめた!」
「よーしよしよし」
「なあにー」
「ペットに餌与えた気分でィ」
「なにそれーあっさっきの間接チューだね」
「なにが」
「総悟のアイスをあたしがたべるという間接キッスだわあい」
「中学生みてェ」
「あははーせいしゅん!」


「………」
「………」
「(ちゅっ)」
「………」
「………うへっ」
「キモ」
「総悟ちょーすき」
「そーかィ」






(2007-06-27 20:57:18)



彼女は言った。
退がいるから笑ってられるんだよと。
彼女は言った。
退の背負ってるものを私にも分けてよと。


彼女が今並べるのは、ひたすらのごめんね。


「謝ること、ないさ」
俺はひどく歪んだ表情をしていたと思う。
彼女はきゅっと唇を結んで涙を堪えていた。

泣きそうな顔されたって、俺はもう彼女を抱き締めない。
泣きそうな顔したって、彼女はもう俺の手を握らない。



「…ありがとう」

彼女の震えた声を聞いたとき、
俺は彼女の顔が見れなくなってぱっと視線を落とした。
泣いているなら抱き締めずにはいられないからだ。




(彼女は誰の隣で笑えるようになるのだろう、誰の荷物を一緒に背負っていくのだろう)






(2007-07-07 23:03:19)



今夜は七夕と呼ばれる日らしい。
星は雲に覆われていた。


「残念ですね、桂さん」


庭でぼんやり空を見上げる桂さんは
廊下に立っている私を振り返りはしないで「ああ」とだけ言った。


「彦星殿はどうなったのだろうか」
「なんですか彦星殿って」


ふっと笑うと桂さんは私の方を振り向いて
敬意を示しているのだと言った。
そのあと「まあ人間が作った幻想だがな」と付け加える。

私はそんな「幻想」を少しも信じちゃいなかったけど、
意外と幻想じゃないかもしれませんよなんて思ってもないことを言った。
何だかんだで誰より「幻想」を信じて空を見上げる桂さんを愛しく思ったのだ。


「桂さんは何をお願いしますか?」


問いかけると彼はそうだなあ、と少し本気で考え込み、「世界平和」と言った。
そして私を振り返ってふっと笑ったから、
私も冗談混じりにそれはご立派ですねと笑った。

私は彼のその願いが結構本気のものだと知っている。


私は静かに草履を引っかけて庭に下りる。
桂さんの隣に並び、桂さんの手を静かに握る。


「きっと叶いますよ」


私は曇り空に彼の願いが叶うようにと切に願った。
緩く絡んだ彼の指先に少しだけ力が込もった。