(2006.04.25 Tuesday 20:28:47)
恋ってなんだ?
結局答えにたどりつくことはできなくて、でもその答えを探しながらまた人を好きになる
それを繰り返すことができている限りは幸せだと言えるんじゃないだろうかなんて
そんなことを考えたりもするのよ
つまりは他人のなかに自分の存在理由を見出だしたいの
(2006.05.11 Thursday 19:46:17 言の葉)
だれか助けて
心の奥底でいつも叫ぶけど
だれかってだれだ?
何を求めてるんだ?
呼べる名前もろくにないくせして
結局いつも他力本願
(2006.05.11 Thursday 19:42:47 言の葉)
わかっているんです
黙って待っててもだれも手なんか差し伸べてくれないこと
声で伝えなきゃ理解ってもらえないこと
わかっているんです
でもだから、もう辛いんです
(2006.05.19 Friday 18:42:13)
だれかを自分のモノにしたいだなんて重くて醜い願いでしかない
わかっているし、不可能なのに
それでも強く願ってしまうんだ
束縛は嫌いよと言ったその奥に、重く醜いヒトへの執着
(2006.08.18 Friday 11:48:15)
総悟の口から「死」という言葉がこぼれた。
え、なに。よく聞き取れないよ。
ぼんやりとした目で言葉を紡いでいく総悟を、あたしは音の無い映像をみるようにぼんやりと見ていた。
その中で唯一はっきりと聞こえて、ずっと頭の中で響いている一言。
「俺ァ、もうすぐ死ぬ」
総悟はいろんな言葉をこぼしていたけど、あたしはその言葉だけを反芻していた。
総悟のぼんやりとした目が今度ははっきりとあたしを捉える。
澄んだ瞳。あたしはこの瞳が好きでたまらない。
吸い込まれてしまいそう、いっそのこと吸い込まれてしまいたい。
そんなことを思っているとふと総悟の手が頬に触れた。
あったかい。
名前を呼ばれてはっとしたあたしは、頭で何を考えるより先に口が動く。勝手に。
「どうしたら一緒に死ねるの」
(2006.08.18 Friday 16:39:02)
「そんな人だと思わなかったってじゃあどんな人だと思ってたんだよ」
あ、めずらしい。ブンちゃんが愚痴ってる。
「どしたのブンちゃん」
「なんでもねぇ」
「彼女となにがあったの?」
「彼女なんかいねーよ」
不満そうな顔のブンちゃんはずずーっとコーヒー牛乳を飲んだ。
もう飲み干しちゃったのか、紙パックがべこっとヘコんだ。
ブンちゃんはそれにも苛立って、無くなってんじゃねぇよと
わけわかんない苛立ちをコーヒー牛乳にぶつけて紙パックをぐしゃりと潰す。
あーあ、重症だ。
「いるじゃん、可愛い彼女が」
「うるせー。過去の話すんな」
「過去になったの?」
「うるせーっておまえ」
「あーそっか、彼女にそんな人だと思わなかったって言われたんだー」
黙った。図星か。
「だっておまえ、あそこは男としていっとくだろ」
「なに?もしかしてエッチな話?」
「エッチっておまえ…まぁいいけど」
「なにー?あ!さては無理矢理やろうとしたんだねブンタロー!」
「(ブンタロー!?)無理矢理じゃねーよ誘ってきたんだぜ」
「思わせ振りな女はねぇ、やめときな。うんうん」
「…もういいおまえどっか行け」
「えー!やだやだ!あ、いい話があるよブンちゃん!」
「なに」
「あたしなんかどう?エッチ拒まないよ!」
「でかい声でエッチとか言う女はいやだ」
「あいたたたー!振られた!」
「いいから行け、おまえ今日日直だろ」
「うわー!鬼の真田くんと一緒なんだ!グッバイブンちゃん!」
「(うるせーやつ)」
(2006.08.25 Friday 14:30:26 )
病院の窓から見えた小さな花火は、すぐに彼が私の為に上げてくれた花火だとわかった。
多分その辺のコンビニで買った花火なんだろうけど、今まで見てきたどの花火よりも綺麗に見えた。
そして私は感動しても涙が出るんだなぁってことを、生まれて初めて知ったのだ。
(2006.12.23 Saturday 18:22:06)
「私がこの世の中で一番信じられない言葉だわ」
「愛してるとか軽々と言う男は大嫌いなの」
「別に、みんな軽々と言ってるわけじゃねェとは思うがな」
「そうかもしれないけど、私はその言葉、嫌いよ」
「可愛くねェ女」
「知ってるわ、じゃあさよなら万事屋さん」
「あ、おい」
「まだなにか?」
「俺もお前と同意見だ、愛してるなんて言葉は嘘臭くてしょうがねェ」
「そう、気が合うわね」
「だからお前、アレだ、そんな男とは別れて正解だぜ」
「ええ、私も正解だったと思ってるわ」
「そうか、後悔してねェならいいさ。またな」
「後悔?そんなもの生まれてこの方したことがないわ。さよなら」
(2006.12.22 Friday 19:24:59)
「死ってモンはどんだけ見ても慣れねェなァ」
すっかり冷たくなって、ぴくりとも動かなくなった猫を埋めた場所を見て、近藤さんはぽつりと呟いた。
俺はそうですねィと相槌を打つように返事をしたけれど、本当は違うことを思っていた。
「俺ァもう、死なんてもんすっかり慣れちまった」
猫はそれなりに可愛がっていたのに、死んでしまっても俺は近藤さんのように悲しいと思えなかった。
あぁまたいなくなっちまったと、ただそれだけ。薄情だ、と自分でも思う。
「土方さん、俺ァおかしいんでしょうかねェ」
そんなことは今更だが。感情が麻痺しているのは確かなのだ。
だって死を悲しんでいたらキリがないから。
毎日のように人間の命を奪っておいて、悲しんでいる暇などない。そんな余裕もない。
死に触れすぎた結果、感情は麻痺して命を尊ぶ気持ちが薄れてしまった。
俺がそんなんだというのに、近藤さんは少しも大事な感情を欠けさせない。
「…おかしかねェよ、当然だろ」
土方さんはそう言って煙草の煙をふわりと吐いた。
近藤さんは俺のすべてを優しく受け入れるけれど、俺よりずっと綺麗で尊い目で世界を見ている。
土方さんはきっと俺と同じように、穢ればかりを見つけてしまうような目で世界を見ている。
「死すらにも慣れてしまえるなんて、皮肉だと思いませんかィ?」
人間は慣れる生き物で、だから慣れは怖いといわれるのだけれど、
何より恐れるべきものにすら慣れてしまうだなんてこれ以上の皮肉があるだろうか。
(ぜんぶ小さな妄想話)